YAMAHAがサービスを開始したSYNC ROOM。いわゆるリモートセッションができるアプリと環境を提供するサービスです。SYNCROOMは、遅延を20msまで抑えることができるとのことで、バンドメンバーで試したところ、ほとんど遅延を気にすることなくセッションができました。

↑メンバー各自が自分のPCにこのソフトを立ち上げて、オーディオインターフェースに自分の楽器やマイクを繋いで音を出すと、他のメンバーのPCに音が届き、最大5人までセッションできるというものです。
音だけではやりにくいのでメンバーの映像を見たいところですが、映像を同時に送るとおそらく遅延の原因になるので、スマホのビデオ通話などを使います。
遅延は回線以外にオーディオインターフェースの能力にも影響されます。ノイズが発生しない範囲でバッファーサイズを下げるなど、DAWのノウハウが必要になります。また通信はWi-Fiではなく、有線接続にした方が良いみたいです。
で、 このソフトはVSTにも対応しており、Cubaseなどでプラグインとして使用すると、DAWの音を流したり、ソフトウェアの演奏でセッションすることもできるらしい。ヤマハだし、どちらかというとWindows系なのね、と思っていましたが、後日、Logic Proで作業していて、プラグインマネージャーを開いてみたら…

ちょっと小さくて見づらいですが、プラグイン一覧にYAMAHAのフォルダーができていて、いつの間にインストールされたのか、syncroom_au_Bridgeというプラグインがある。それをSTEREO OUTトラックにインサートしたら、SYNC ROOMが起動した!

↑またまた見づらいですが、右上の赤い部分に「VST連携中」とあります。実際にはAU(Audio Unit)なんだけど、公式ページにも載っていないし、まだベータ版なのかも。Logicのソフトウェア音源を演奏すると、SYNCROOMソフトウェアのメーターが振れるので、連携できているみたいです。これで、クリックトラックやガイド演奏が送れるので、セッションの幅が広がります。
セッションするにあたりネックとなるのがやはり回線速度で、一般家庭の場合、他の家族がインターネットを使用していると速度が低下するだろうから、その辺の安定性が課題になると思います。でも今までの環境と比べたら、条件が良ければセッションできるというだけでもすごいこと。今後主流になるかもしれないリモートセッション環境が、かなり現実的になってきたようです。